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京都府の芋掘り農園へ
10月はさつまいもが旬、ということで
今年も京都府城陽市の「あらす観光いも掘り農園」へ。
自宅でお芋掘りの写真を見せ、息子に今日の予定を伝えてから出発しました。
ここでは、甘くておいしい「寺田いも」の収穫体験ができます。
専用駐車場に車をとめ、徒歩7分の畑へ。
2020年の価格は3株1000円です。
去年の巨大芋掘りの様子はこちら
突然動かなくなった息子
張り切ってお芋畑に着いたものの、自閉症の息子が突然、芋堀りの受付から動かなくなってしまいました。
息子は障害の特性ゆえに、視界に気になるものがあると、そちらに集中し過ぎてしまい、本来の目的を見失ってしまうことがあります。
この時も息子は、受付に置いてあったものが気になって仕方なくなりました。
しかし私は、施設の物に触れて欲しくないため、私の体で壁を作り、息子の視界から気になるものが外れるようにガードしました。
兄姉も、弟の気持ちが変わるのを静かに見守ってくれていました。
私は何度も「おいも堀りに行こう」と、今やるべきことを写真で提示して、息子をお芋掘りへ促し続けます。
農家の方の優しさに触れた
この一部始終を見ていた農家のおばあさんが、息子の2m手前まで近づいてきて、
車を降りてきた時から、待ってたよ。よく来てくれたね。
パパとママとお兄ちゃんとお姉ちゃんとボク、5人だね。
手の指と同じ数だよ。
一緒にお芋を掘りに行こう!
と、とてもゆっくりな口調で、はっきりと分かりやすく話しかけてくれました。
この方はマスクをされていましたが、息子のためにとても大きな口をあけて言葉を発してくれていることが、口元の動きからも伝わってきます。
そして
このお芋より、大きなお芋を掘ってね。
と、代金を支払う前の息子に、小さなお芋を持たせてくれました。
赤ちゃんのような、小さいお芋を見つめる息子。
すると、本来の目的を思い出したかのように歩き出しました。
まるで、魔法がかかったようです。
この後、この方からお話をきくと、昔は障害のある子を保育していた保育士さんだったそうです。
そのため、息子の様子をみて、すぐに気付いてくれたのかもしれません。
そして息子だけでなく、何も言わずに じっと弟のことを待っていてくれた、長男長女にも
「お兄ちゃん、お姉ちゃんえらいねぇ」
と褒めてくれて、母親である私にも
「お母さん、上手に子育てしてはるわ」
と言葉をかけてくださいました。
この方の行動と言葉のおかげで、いつの間にか家族全員の気持ちが明るくなっていました。
気を取り直してお芋掘り
突然足取りが軽くなった息子は、畑へ一直線!
指定された芋の株元へ行き、お姉ちゃんのやり方を見て学ぶ息子。
なるほど!といった表情で、次々とお芋を掘り出します。
6歳頃までの息子は、お芋掘りの楽しさや目的を良く分かっていなかったようで、芋掘りに連れてきても、いつも芋のつるや葉で遊んでいました。
でも今は、とっても頼もしく家族の戦力になっています。
大きなさつまいもがたくさん
今年の寺田いもは、長くて大きいおいもがたくさんとれました。
ここの芋畑の土壌は、砂浜のようなサラサラの土が魅力。
力の弱い子どもでも、スコップ無しで簡単に芋掘りを楽しむことができますよ。
掘ったお芋は家で数日おいてから、みんなで美味しく食べたいと思います。
まとめ
急に起きてしまった息子の困った行動にあたふたしていた私の元へ、魔法使いが来てくれたような…そんな一日でした。
後になって気付いたことですが、農家の方が
怖がらせてはいけないと思い、はじめは2m離れて息子に話しかけてくれたこと
息子をみて、この子にはゆっくり話せば伝わる!と思ってくれたこと
この対応に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
障害児の子育てをしていても、こんなに温かい方に出会うことができる。
そう思えると、大袈裟かもしれませんが、私たち親子の存在がまるで肯定されているようで、とても前向きな気持ちになれました。
私はこの方の優しさを忘れずに、何倍にもして、他の誰かに優しくなれたらいいなと思います。
農家の方々が大切に育ててくれた立派なさつまいも、食べるのがとっても楽しみです。
あらす観光いも堀農園
- 住所:〒610-0121 京都府城陽市寺田塚本
- 営業時間:9:00〜16:00
- 開園日:9月中旬〜10月下旬のみ
- 駐車場:約80台
- 問合せ:0774-52-5131 JA京都やましろ城陽支店(平日のみ繋がります)
最後までお読みいただきありがとうございました。