自閉症スペクトラムの子は、自分の名前を呼ばれてもなかなか気づくことができない場合があります。
呼ばれていることに気づかせる働きかけを行う必要がありますが、3歳まで全く反応の無かった息子が、名前を呼ばれて目が合い、返事ができるまでになった、効果のある働きかけを紹介します。
Contents
まずは気づかせることから
自閉症の子の多くは、自分の名前が呼ばれても
- 振り向く
- 返事をする
といった反応をとるべきだという事を、理解していないことが多いです。
人に対する関心が低いため、音や声が聞こえていても、自分が呼ばれていることに気づきにくいのです。
そのため、離れた所からや背後から呼びかけるのではなく、子どもの前に回り込みゆっくりとした口調で名前を呼びます。
子どもは故意に無視したり、聞こえていないのではなく、声が聞こえていてもどう反応したらよいか分からないのです。
反応があったら褒めるを繰り返す
息子は3歳頃まで、呼びかけに対する反応が全くありませんでした。
なので、息子の前に座り
せいくん、おはよう!
と毎朝あいさつを行ったり、一日に何度も名前で呼びかけることを続けました。
初めは反応が薄かったのですが、次第に目をチラッと見てくれるようになりました。
ほんの少しでも呼びかけに反応があった時は、たくさん褒めます。
褒めたことに反応が無くてもそれを繰り返します。
そうすることで、名前を呼ばれたら
- 振り向く
- 顔を上げる
- 目を合わせる
- 返事をする
という行動がふさわしい事だと理解していきます。
根気強く名前を呼び続けた効果
家族にも協力してもらい、息子の正面から名前を呼び、少しでも反応があったら
目が合ったね!上手だね!
と褒めるのを繰り返しました。
全く反応のなかった息子ですが、次第に名前を呼ばれると2か月で顔を上げ目が合うようになり、半年で横側から呼んでも振り向くようになりました。
反応が薄い日などは、手を握ってあげたり、顔をのぞき込むと反応があります。
4歳で、振り向くことができる日が多くなり
5歳になる頃には、呼ばれて手をあげることができるようになりました。
小学校入学する6歳には、フルネームで呼ばれるとしっかりと「はい!」と声に出して手を挙げるまでになりました。
名前を呼ぶ習慣を持つと得られること
呼んでも子どもの反応がないと、声をかけるのが虚しくなることもあると思います。
ですが名前による声掛けは、家でもできる最も簡単な療育で、社会性を身につけるための、最も基礎的なところです。
この呼びかけを習慣化したことで、8歳になった今の息子は、呼びかけに返事をしたり笑顔で視線を合わせるなど、ほとんど反応を示しています。
人に興味を持ち、目を合わせることはコミュニケーションの第一歩ですね。
「せいくんおはよう!」とゆっくりとした口調で、毎朝家族みんなから挨拶されると、視線を合わせ「あいよ!」(おはよう)と頭をペコリとします。
名前を呼ばれていることに気づかせることから始めて、今では声と視線と行動で反応できるようになりました。
まとめ
正直、子育てをしていて母親の呼びかけに反応しない我が子を見ているのは、とても辛かったです。
でも息子には根気強さが必要だと思いました。
一歩一歩ですが、息子と目が合い、満面の笑みで親の目を見てくれた時は、涙が出るくらい嬉しかったです。
今では放課後等デイサービスの先生や学校の先生も、同じ呼びかけをしてくれるので、人への関心も飛躍的に伸びました。
目が合って、呼びかけに応えてくれる。
当たり前のようで当たり前では無かった毎日。
今では応えてくれる息子に話しかけるのが楽しくなっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。