Contents
自閉症の息子を連れての挑戦
2023年1月、自閉症の9歳息子を連れ、ディズニーシーにあるリストランテ・ディ・カナレットという、貴族の邸宅のようなイタリアンレストランを利用しました。
こちらは、運河沿いにあるレストランで、ヴェネツィアン・ゴンドラを見ながら、窯焼きピッツァやパスタ、ワインやビールが楽しめます。
私は以前から「このお店のメニューにある窯焼きのマルゲリータを食べてみたい!」という小さな願いがあり、今回はその計画にチャレンジすることに。
しかし、日によって機嫌の波があったり、椅子に落ち着いて座ることが苦手な自閉症の息子を連れて、この静かで落ち着いた雰囲気のレストランを利用することは、私たちにとって大きな挑戦でした。
入念に作戦を立て、息子の機嫌が悪くなった時のことも想定し、夫と計画を確認し合っての入店。
結果的に、とても楽しく食事ができたのですが、それだけでなく優しいキャストさんの言葉が嬉しかったのでご紹介します。
自閉症の息子を連れて、ディズニーシーのお洒落なレストランにチャレンジしています。今はとても落ち着いて座ってくれているので、食事が終わるまでこのままで…と祈りながら料理待ち。息子が崩れそうになったらすぐ退店し、夫と交代で食事する作戦を練っています。我が家にとってなかなかの挑戦です。 pic.twitter.com/Kiw7D7dt35
— *せいくんは自閉症*ママはハンドメイド作家 (@seikunnoouchi) January 5, 2023
レストラン利用までの作戦
ディズニーシーにあるリストランテ・ディ・カナレットは、プライオリティーシーティング対応(予約)のレストランですので、一ヵ月前に事前予約が可能です。
事前予約をすると、当日に席が空き次第優先的に案内してもらえるので、息子の疲れが溜まり機嫌が悪くなりやすい夜を避け、16時台に予約。
夫とは、息子の機嫌が悪くなったり、しんどさが出てきた場合は直ぐに退店し、交代で食事をする計画を確認し合いました。
また、空腹は息子の機嫌を損ねるので、レストランの前に息子だけ軽食を済ませておきました。
そして、閉鎖的な空間や、薄暗い空間に長時間いることを苦手とする息子のために、テラス席を希望したところ、ゲストの少ない夕方の時間でしたので、スムーズに案内してもらうことができました。
真冬でしたが、天井に大きなストーブがついていたので、全く寒さは感じませんでしたよ。
店内では息子が退屈しないよう、レストラン利用前のタイミングでお土産を購入し、遊べるようセッティング。
また、動画が楽しめるタブレットを持参。
レストランのメニューはコース料理などもありますが、短時間で楽しめるよう、単品のお料理をあらかじめ決めてから入店しました。
あとは、全員の食事が終わるまで、穏やかに過ごせるよう祈るのみです。
キャストさんの言葉
この日の息子は調子が良く、家族全員が食事を終えるまで、席で落ち着いて過ごすことができました。
このレストランのメニューは、偏食の息子が食べられる物がほとんどないのですが、
家族みんなが「美味しい!美味しい!」とピッツァを食べているのをみて、息子もマルゲリータのチーズをパクッ!
「一緒に食事ができて嬉しいね」と夫と話し、喜び合いました。
しばらくして、レストランのキャストさんが、私たちの席にお水を注ぎにきました。
しかし、重度知的障害の息子は、素手で手を汚しながらベタベタとピッツァを食べています。
その姿に、私はふと「他人から見たらこんなに大きな子がベタベタに手を汚して食べていたら不快に思うんだろな」と、気にしていました。
息子が嬉しそうに食べる姿に嬉しい反面、時々人目を気にしてしまう私…。
しかし、夢中になってマルゲリータを食べる息子をみて、キャストさんは
「美味しそうに食べてるね。このチーズ、本当美味しいよね」
と声を掛けてくださいました。
これは小さな子どもに掛ける言葉なら、ごく普通かもしれませんが、
9歳の息子が手を汚しながら、お世辞にも行儀が良いとは言えない食べ方にでも掛けてくれた言葉。
特別な言葉ではなく、周りの子どもと同じように声を掛けてくれたことに、私たちは嬉しくなりました。
まとめ
以前は、自閉症の息子を連れて行くなんて考えられなかったこちらのレストラン。
タイミングと作戦、条件が揃えば、無理なことではないのだと感じました。
発達障害のある息子を連れて一歩外に出ると、「人に迷惑をかけないように」と、ついそのことばかり考えてしまいますが、事前準備と息子のコンディションをみながら、これからも新しいことにチャレンジしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。