自閉症の息子には3歳上の姉と、5歳上の兄がいます。
姉は健常児、兄はLD(学習障害)です。
自閉症の息子と歳の近いお姉ちゃんは、重度知的障害を伴う自閉症の弟がいることで、彼女なりの葛藤がありましたが、成長するにつれて、障害者に対する考え方が変わってきました。
きょうだい児の成長の話です。
Contents
きょうだい児の葛藤
きょうだい児とは、障害のある兄弟姉妹を持つ人のことです。
障害児の子育てはとても手がかかります。
そのため障害のある子の世話にかかりっきりになってしまい、きょうだい児が寂しい思いをしたり、辛い思いをすることがあります。
息子と歳の近いお姉ちゃんもそうです。
今までお姉ちゃんが弟の事を悪く言ったり、いじわるしたりするようなことは一切ありませんでしたが、大きくなっても赤ちゃんのようにちょっかいを出してくる弟を、面倒に思ったり、つらくなることは何度もあったと思います。
でもそれをあからさまに突き離したり、邪魔者扱いしなかったのは、いつもグッと堪えるお姉ちゃんの我慢だったと思います。
息子が悪いことをしたら、いつも一緒に「ごめんなさい」と謝っていましたが、知的障害の弟は状況の把握が難しく、笑いながら謝っていたこともあったので尚更です。
息子に障害があっても、絶対に優先したり、兄弟に不公平な扱いはしてきませんでしたが、いつも必ず心のどこかでは
お姉ちゃん、我慢していないかな・・
という意識を持つようにしていました。
障害者に対する姉の興味と考え方
障害者に関する事や、息子の障害の事はお姉ちゃんの成長段階に合わせて、少しずつ話をしていましたが、最近10歳を迎えたお姉ちゃんの考え方が変わってきました。
障害者や弟の事をもっと知りたいと思うようになったことです。
- 障害についての絵本を一緒に読む
- 私の書くこのブログを読む
- 学校でユニバーサルデザインや障害者の事を学ぶ
- 図書館で借りた自閉症の本を読む
- インターネットで障害者について調べる
これらのことを自らすすんで行うようになり、
そこから自分に何かできることはないかと考え始めたようで、ついに学校でプレゼンテーションをしました。
センサー付きの蛇口の設置を提案
お姉ちゃんは学校の授業中、クラスみんなの前で
と発表しました。
その後担任の先生が、学校所在地の市の偉い人に、録画したお姉ちゃんのプレゼンテーションのスピーチを提出しました。
すると、市の税金で学校にセンサー付き蛇口の設置をすることが決定しました。
障害について
- 知ること
- 理解すること
- 自分に出来ること
を追求したお姉ちゃんの行動でした。
この話を聞いたとき、思わず感動しました。
大人になった私は、一個人が何かを発言しても世の中を大きく変えることは出来ないと、心のどこかで悲観的な考えを持っていました。
今回のお姉ちゃんの行動は、私の心も大きく動かし、また障害者に対する知識と考え方に驚いています。
障害者支援は、まず知ることから始まるのかもしれません。
きょうだい児の気持ちの絵本
自閉症の女の子の心の話
最後までお読みいただきありがとうございました。