Contents
自分の気持ちを上手く伝えられない子
発達障害のある子の中には、自分の気持ちや意見を、上手く言葉で表現することが難しいと感じている子がいます。
理由は、緊張が強かったり、受け取る情報が多すぎて、上手く言葉にまとめることができないために、自分の思いを伝えられないからです。
何か質問されても、すぐに答えられず黙り込んだり、俯いてしまったり…。
長男の場合
我が家の学習障害の長男(中学二年生)にも、このような特性があり、以前は他人に質問されたり、長い話の後に意見を求められると、上手く答えられず黙り込み「たぶん」「ふつう」「良いと思う」などの簡単な受け答えになりがちでした。
今では、自分の思いや嬉しかったこと、困りごとを話してくれるようになったので、今まで長男に意識していた言葉かけや関わり方を紹介します。
話しやすい環境や答えやすい選択肢を与える
上手く話せない子の多くは、特に家族以外の人(先生や友だち)や初めて会う人の前で、言葉がつまりやすくなります。
そのため、学校の先生には長男の特性を話し、困った顔をした時や黙り込んでしまった時の、声掛けの仕方を話し、対応をお願いしておきました。
長男の場合は、質問に答えやすいよう2~3個の答えを提示してもらっています。
例えば
「勉強何が難しい?どこが分からないの?」
と質問されても上手く答えられないことが多いので、
「どの教科が難しい?国語か・数学・他の教科?」
と、選択できるような質問形式にしてもらいます。
家で
「最近学校はどう?」
という質問しても
「普通」とか「楽しいよ」
などと返ってくるってことありますよね。
そんな時は
「今日の給食、何が一番美味しかった?」
「休み時間は外で遊んでいるの?教室?」
など「はい、いいえ」で答えられないような質問をします。
そして、答えてくれた内容に親が積極的に興味を持ち
「そのおかず美味しそう!お母さんも食べてみたいな」
「寒い日は教室が暖かいから良いよね」
と、共感して話を受け止めます。
また、困りごとや悩みを言葉で話せないときは、手紙やメール、LINEなどを使うことも、とても良いです。
子どもたちには「もし、言いにくいことがあったら家の中でもLINEしてね」と話しています。
文字にする時は、ゆっくり考えながら書き留めることができるので、より思いを伝えやすいようです。
子どもがどう感じ思っているのか、上手く答えられる環境や質問の仕方を変えるだけで、そこから話が広がったり、またこのような経験の積み重ねで、次第に自分の気持ちを伝えることが上手くなっていきます。
他人に上手く話せないときの対処法を教える
気持ちがまとまらず、他人に上手く話せなくなった時は、
- 「考えるのでちょっと待ってください」
- 「少し考えてから言います」
などと答えたら良いんだよ、と教えています。
聞かれたことや質問に、すぐに答えられなくても良いという選択があれば、落ち着いて話すことができるようになります。
私が気を付けていること
長男のことを病院で相談した時に、医師から
緊張すると全身の筋肉が硬直して、言葉が上手く出ない人もいます。
と言われ、その時から長男と話す時は下記のことを意識するようにしました。
- 自分から思いを話してくれたら「教えてくれてありがとう」という
- 「お母さん困ってるから手伝って」とお手伝いをお願いし、困っていることは人にお願いしても良いんだということを知ってもらう
- 普段の生活で、長男の興味の持っていることに親が興味を持ち話を聴く
- 質問攻めにしない
- 早く答えなさいと言わない
- どういうこと?何なの?と責める言い方をしない
- 答えた内容を否定しない
- 「普通は」「当たり前」という言葉を使わない
小学生までの頃は、自分の気持ちを上手く伝えられなかった長男ですが、中学生になった今では自分の思いを沢山話してくれるようになり、友だちとの関係も良好です。
どうして話さないの?と責めるのではなく、どうして話せないのかを、周りが考えることが大切だと感じています。
上手く話せないけど、何も考えていないわけじゃないからです。
最後までお読みいただきありがとうございました。