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【人を叩く他害行為はどうすれば良い?】息子が人を叩かなくなった理由

せいくん

子育て中の心にそっと寄り添うブログ。 発達障害をもっと分かりやすく紹介。 せいくんは小学4年生、特別支援学校に通う三兄弟末っ子。 重度知的障害を伴う自閉スペクトラム症。(ASD) 発語なし、偏食、感覚過敏。 小さな身体で一生懸命生きています。ちょっとイケメン。 障害児の生活や支援学校、効果のあった療育グッズを紹介。


2歳頃からあった自閉症息子の噛みつきや人を叩く行為。

様々な対応を考え、小学校入学時にはなくすことができました。

今までのかかわり方を紹介します。


Contents

子どもが人を叩く理由

子どもが人を叩く理由の一つとして「親の愛情不足だ」と一昔前は言われていましたが、理由はそうではありません。

発達障害児に限らず、愛情を注いでいれば手を出さない子になるなんてことはないはずです。

子どもが人に手を出すのには、きちんと理由があり、それを観察した上で対応策を考えていく必要があります。

これらのことは、他害だけでなく自傷行為をする子どもにも応用できるものです。


子どもが手を出す理由

  • 言葉での伝え方が分からない
  • 叩くことで周りの注意を引ける
  • 不満やストレスを感じている
  • 手を出すことで得られたものがあった
  • 相手の反応を楽しみたい
  • 手を出すことが習慣化している



手を出すことで、欲しいおやつが手に入った、友だちからおもちゃを奪えた、という自分の行動で良い思いを経験すると、その行動を繰り返しやすくなります。


心理学でいう「強化」が起こり、「手を出せば効果がある!また次もやろう!」となるのです。


叩く・蹴る・殴る・噛みつく子の対応

叩いてはダメと何度も言い聞かせることが大切!といわれることもありますが「してはいけない」という言葉を何度も繰り返し言い聞かせても、子どもが叩く以外の”感情の表現方法”を知ることができないと、その行動はなくなりません


子どもの様子を観察し状況に応じて対応する

  • 「よしよししてね」「肩をトントンと叩いて呼んでね」と叩く以外の方法を教える
  • 手を出してきたときに、過度に反応しない
  • 叩いたり蹴ったりするときは黙って避ける
  • 子どもが言いたいことを代弁する
  • パンチバッグやぬいぐるみなどイライラをぶつけられるグッズを用意する
  • 感情を表す言葉や表現を教える



逆効果!NGなこと

日本の子育てに限らず、海外の子育てでも同じく言われているのは、子どもに叩かれても「決して叩き返してはいけないということです。

多くの専門家が同様の意見を持ち、また叩いてきたときに子どもの求めているその要求に応じてはいけないと言います。




大人が叩き返すことによる子どもの弊害

  1. 体も心も傷がつく
  2. 心身の発達に遅れがみられる
  3. 自分が悪かったことを理解できない
  4. 暴力をふるう子に成長する
  5. 痛みを感じても人の痛みを想像することには繋がらない


叩き返すことで、相手の痛みが分かるようになるという方もいますが、親が叩き返すことで起きる子どもの中の感情は、

  • 叩かれて痛かった
  • 手が上がることへの恐怖が生まれた
  • 怒ったら手を出しても良いんだ

ということだけです。

暴力映像を観た子どもは、攻撃的になるという研究結果があるくらい、叩き返すことに何もメリットはありません。


子どもより大きな強い大人が暴力を振るえば、子どもは怯えて言うことを聞きますが、それは一過性です。


躾とは、決して親の言うことを聞かせることではありません。



自閉症息子が叩かなくなるまで

重度知的障害自閉症の息子は、3歳頃まで言葉はもちろん、その他のコミュニケーション手段もなかったので、きょうだいに噛みついてしまったり、5歳頃までは人を叩いてしまうことがありました。

その時に

「噛んではダメ!」

「叩いたら痛いでしょ!」

というだけでは理解できませんでした。


自閉症の子は、相手の気持ちを理解することはさらに難しいものとなります。

叩いてきた時に過度に反応すると、楽しくて笑ってしまうこともありました。


息子に行ったこと

言葉の代弁をする

「お兄ちゃんの食べてるおやつが欲しかったね、おかわりしようか」

「おもちゃ取られて嫌だったね、いや!って言おうね」

とその場の状況を見ながら、息子の気持ちを言葉にします。

発語のない息子は言葉で伝えられないので、ジェスチャーでの伝え方も一緒に教えました。

  • お代わり→お皿を持って手をトントンで合図する。
  • いや!→手のひらを相手に向けてアピールする。


気持ちの伝え方を教える

かまって欲しい時に叩いたり、機嫌が悪い時につねったりすることがあったので、

「呼ぶときは肩をトントンするよ、やってみて!」と手を添えトントンの練習をする

「嫌な時は手を握ってね」とつねる代わりに強く手を握らせる

などの代わりの行動で、気持ちを伝える方法を教えました。


叩かれても親は、叩くことに無反応でいる

叩かれたり、蹴られた時に過度に反応すると、それが面白くて笑ってしまったり、その反応を見るために繰り返し同じ行動をすることがあります。

それは叩くことで相手の反応を見ている子がほとんどだからです。

子どもとはいえ、大人でも叩かれたり蹴られたりすると痛いもの。

泣きまねをするという方法もありますが、してほしくない行動には過度に反応しないこと、叩く以外の別の方法で大人の気を引く方法を教えることが一番効果的です。

息子の放課後等デイサービスのスタッフも、強い攻撃以外は、無表情で淡々と対応してくれています。

とても難しいですが、叩かれても私たち親はなるべく冷静でいるということ。

私の経験上、こちらが感情的に叱ったところで上手くいったことはありませんでした。



噛まれた時は傷跡をみせる

息子が3歳の頃は、きょうだいの背中を噛んでしまったりすることがありました。

きょうだいの前ではきちんと叱る態度を取りましたが、その後息子には付いてしまった歯形を見せることで、

「やってしまった」という表情を見せていたので、少しは伝わっていたかもしれません。

噛み癖は1年もたたず終わりました。


まとめ

手を出してしまう子に頭ごなしに「叩いたらダメ!」「蹴ったら痛い!」と言い続けても

  • 何がいけないのか
  • どうやって人と関わったら良いのか
  • 困った時はどうしたら良いのか

が分からないまま終わってしまいます。


次に繋がる支援にするなら、手を出してしまった時の状況をしっかりと観察し、子どもが手を出す手段以外のことに変換できるよう促すことが、人との良好な関係を築くことに繋がります。

もちろんこれは、すぐに効果が出るものではありません。


息子にも2歳から根気強く続けることで、小学校に入学する頃には人に手を出すことがほとんどなくなりました。

毎日のかかわりが、数年先の行動に繋がっていきます。

大人になっても困らないように、息子とかかわっていこうと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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