発達障害(神経発達症)にはいくつかの種類があります。
その中でよく耳にする、4つを解説付きで分かりやすく説明します。
Contents
発達障害(神経発達症)の種類
今回紹介するのは
【ASD】自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム)
知的障害
- 【ADHD】注意欠如多動症(注意欠如多動性障害)
【LD】限局性学習症(学習障害)
現在
- 発達障害→神経発達症
- 自閉症スペクトラム→自閉スペクトラム症
- 注意欠如多動性障害→注意欠如多動症
- 学習障害→限局性学習症
という名称に変更されています。
この記事では、分かりやすいように、以前の名称も用いています。
発達障害(神経発達症)とは
発達の過程で気付かれるような、言語発達の遅れ・対人関係がうまくいかない・落ち着きがない・特定分野の勉強が極端に苦手などの、生まれつきの脳の働き方の違いによるものをいいます。
障害のタイプによって症状の現れ方や程度も人それぞれ異なり、見た目には分かりにくい障害です。
そのため、周りの人から理解が得られずに「育て方が悪い」「変わっている」「甘やかしたせいだ」などと勘違いされることもあります。
【ASD】自閉症スペクトラム
自閉症スペクトラム(自閉スペクトラム症)とはコミュニケーションの障害です。
人とのかかわりを苦手としますが、人嫌いというわけではなく、相手の表情や気持ちを読んだり察したりすることを苦手とします。
また特有のこだわりもあり、同じパターンや手順に固執したり、スケジュールの変更などがあると、パニックになることもあります。
感覚過敏がみられることが多いのも特徴です。
以前は大きく3つに分けられていました。
自閉症
高機能自閉症
アスペルガー症候群
違いは言葉の遅れや知的な遅れの有無です。
自閉症とひとことで言っても、すべての人に知的な遅れがあるわけではありません。
主な症状
自閉症 | 高機能自閉症 | アスペルガー 症候群 | |
言葉の遅れ | ある | ある | ない |
コミュニケーション の困難さ | とても困難 | 困難 | 少し困難 |
こだわりの有無 | ある | ある | ある |
知的障害の有無 | ある | ない | ない |
自閉症の7割に知的な遅れが伴っています。
8歳で発語のない息子は
知的障害を伴う自閉症スぺクラムと診断されています。
上のグラフでいうと左の自閉症に当てはまります。
2022年現在は、これらすべてをASD(自閉スペクトラム症)として名称を統一しています。
知的障害
知的な遅れが発達の過程で(おおよそ18歳まで)現れ、日常生活に支障が生じているために特別の援助を必要とする状態にあるものとされています。
一般的にはお金の管理・読み書き・計算など、日常生活や学校生活で頭脳を使う行動に支障があることを指します。
知的障害は発達検査結果のIQやDQをもって判断します。
基準値
- 最重度 (DQ)20以下
- 重度 (DQ)21~35
- 中度 (DQ)36~50
- 軽度 (DQ)51~70
自閉症の息子は、発達検査結果が6歳の時点でIQ29なので
重度知的障害とされます。
【ADHD】 注意欠如/多動症
注意力や集中力が続かず、極端にそわそわと落ち着きがない、その反対にぼーっとしてしまう、忘れ物が多い、などが特徴とされています。
自己コントロールがうまくできない困難さがあります。
4歳までに症状が現れ、7歳を過ぎても改善されない場合は、【ADHD】注意欠如多動性障害と診断されます。
特徴
- 不注意優勢型
- 多動性
- 衝動性
主な症状
不注意優勢 | 忘れ物をしてしまう 物をなくす 約束を忘れてしまう 整理整頓が苦手 集中力が続かず気が散りやすい |
多動性 | じっと座っていられない そわそわと手足を動かす 高いところに登ろうとする 身体を小刻みに揺らす 過剰に喋る |
衝動性 | よく考えず行動に移してしまう 衝動買いをしてしまう 順番を待つことができない 質問が終わるまでに答えてしまう |
これらがいくつか混合している場合もあります。
また、自閉スペクトラム症と併存(同時に症状として現れる)していることも珍しくありません。
【LD】学習障害
知的な遅れがないにも関わらず、聞く・読む・書く・計算するなどの学習スキルのうち、特定のものの習得が著しく困難な状態を学習障害と言います。
学習が始まる小学校以降に発覚しやすく「努力が足りていない」「勉強不足」などと思われがちです。
主な症状
書字障害 | 文法が苦手 鏡文字になる 漢字がうまく書けない 枠内に文字が書けない |
読字障害 | 読むのに時間がかかる 読んで意味が理解できない きちんと発音できない |
算数障害 | 数字の理解が困難 図形やグラフが苦手 九九が覚えられない 文章問題が解けない |
学習障害の8割にはディスレクシア(読み書き障害)を抱えているといわれています。
我が家の長男は学習障害ですが、知的な遅れはありません。
ですが、読む・書く・計算が苦手など、学習障害のほとんどの症状に当てはまります。
まとめ
発達障害(神経発達症)は成長の過程で気付くものです。
【障害】であって【病気】ではありません。
息子は知的障害と自閉スペクトラム症(ASD)を併存していますが、ADHDの特性はありません。
発達障害(神経発達症)は様々な障害が合わさることが多いので、障害の特徴や特性を知っているだけで、新たな障害の早期発見につながり、療育につなげることができます。
ソーシャルスキルトレーニング
発達障害(神経発達症)は薬で治るものではないので、ソーシャルスキルトレーニングが効果的です。
ソーシャルスキルとは、社会(ソーシャル)の中で生きていくために必要なスキルで、何歳からでも身につけることができます。
他者と関係を築いたり、一緒に生活を営んだりするために必要とされる技能です。
トレーニングには、あいさつ・人にお願いする・断るなどのコミュニケーションスキルやトラブルを解決するスキル、決まった時間に薬を飲むなどの日常生活のスキルなどがあります。
ソーシャルスキルトレーニングを通して、障害の特性を理解し、それに対して自分で対処できる方法を見つけることが目的です。
ソーシャルスキルを育てる本
息子は
あいさつ・お願いをする・困ったときの対応
を中心に、学校や放課後デイサービスに協力をお願いしてトレーニングしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。