発達障害やその疑いがあると、子どものできないことに目が行きがちです。
我が子を同じ年齢の子と比べてしまう自分に、嫌気がさしたりもします。
「人と比べること」それを悪だと捉えずに、受け入れてしまう方がずっと気持ちが軽くなるというお話です。
Contents
どうして人と比べてしまうのか
子育て中に他人の子と、我が子を比べてしまうのは何故なのか…。
それは自分の中に理想があったり、心の中に不安感を持っているからです。
人と比較しない人なんて存在しません。
- 他の子は発達がはやくて羨ましい
- 他の人は子育てが楽しそう
- どうして自分だけ大変な思いをしているんだろう
私は息子に発達障害があると分かった時、自分が想像していた子育てとは、遠くかけ離れた現実に絶望を感じたり「どうしてうちの子に障害があるのか」「もし障害がなかったら」と悲観的になりました。
発達障害があると、周りの子との発達の差に引け目を感じたり、我が子を可愛いと一時的に感じられなくなってしまうことに、罪悪感を抱き苦しむ事もあります。
自分にはない物が他人にあると感じると、人は誰かと比較し、それをネガティブに捉えてしまいます。
そんな時、誰かに相談して
- 「こうしたら気持ちが前向きになれるんじゃない?」
- 「そんなこと言ってもしょうがないよ」
- 「子どもが可哀想」
- 「この子にもいいところいっぱいあるじゃない」
などのアドバイスや励ましの言葉を掛けられても、心に届かないものです。
人と比べることは悪いこと?
多くの人は「人と比べずに自分らしく」という言葉を掛けられ育っています。
また、発達障害の子がいる親に対して「あなたを選んで生まれてきたのだから」などと、子育ての辛い気持ちをさらに追い込むような言葉を掛ける人もいます。
そのため
- 「人と比べてしまう自分が嫌だ」
- 「人と比べない方法を知りたい」
という思考になってしまいます。
羨ましい・妬ましいという思いを抱えると、大抵の人は罪悪感を感じます。
「こんなことを考える自分は恥ずかしい。こんな感情消してしまいたい。誰にも知られたくない」と羨ましい気持ちを抑え、消してしまおうとするのです。
でも、羨ましい・妬ましいという気持ちは、消そう、忘れよう、悪いことだと考えるほど、どんどん膨れ上がっていくものなんです。
我慢して心を壊してしまうくらいなら、いっそのこと、自分で作ったその感情を全て受け入れてみるのはどうでしょうか。
自分の感情をありのままに受け入れること
人と比べてしまうこと、理想を描いていた自分への嫌悪感は、人間の心理では当然であること、
そして他人と比較せずに社会で生きていくことはほぼ不可能です。
まずは自分の感情を自覚することが大切
「羨ましいという気持ちを消さなければ!」と心にずっと抱えるのではなく、自分の“ありのままの気持ち”を受け入れるのです。
これは心を落ち着かせるために、心理学的にも非常に有効な方法です。
気持ちの受け入れ方の例え
「障害が無い同じ歳の子はもうあんなにお喋りして、落ち着いて座っていられる。それに比べてうちの子はまだまだ泣いてばかり。こんな風に他の子と比べる自分も嫌だし最低な母親だ。」
「息子と同じ歳の子はあんなに色々な事が出来てすごいな。癇癪も無く羨ましい。私はいつも他の子と比べてしまうし、引け目を感じる気持ちもあるけど、それも今の自分の本当の気持ちなんだ。」
ネガティブな感情を、悪いものや異常なものととらえ排除しようとするのではなく、理想や願望があるからこそ生まれる当然の感情だと捉えることが大切です。
向き合うことで、比較する負の気持ちを、自分の中で処理していけるようになります。
この方法はネガティブな感情に晒される時間が短くなり、結果として心を健康に保つことができます。
心理学・心の安定を保つ鍵は「ネガティブな感情を受け入れる」ことだと証明される
「人と比べてはいけない、期待してはいけない」と自分を言い聞かせるよりも、「羨ましいな、あの人すごいな」と、自分の中から出てきた気持ちを否定せずに認める方が、意外にもずっと心が軽くなる。
噓のようで本当の話です。
私はネガティブな感情が出た時に『それも私の素直な気持ちだから受け入れよう』と自己対話することで、感情の落ち着きが感じられました。
人と比較しない方法を探すよりも、感情は自ら作っていると知ることの方が、とても大切なのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。