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自閉症息子の久しぶりの癇癪
息子が久しぶりに癇癪を起しました。
精神安定のための薬を服用してから、随分と落ち着いた日々を過ごしていましたが、この日は息子の思いがとても強かったようです。
事の発端
この日、私はディズニーでの思い出の家族写真を、リビングに飾りました。
夕飯も終わりゆっくり過ごしていると、ガサゴソと動き出す息子。
何かイタズラをしているのかな・・と見ていると、ディズニーランドで購入したポップコーンのケースやキャリーケースをリビングに出してきました。
その時は、旅行ごっこでもしているのだろうな・・と見守ることに。
しばらく経って寝る時間になったので
「せいくん寝ようか!」と寝室に誘いましたが、息子はさっき用意したスーツケースなどを玄関に運び、私の手を強く引いて
”旅行へ行こう!”と誘うのです。
発語のない息子は、楽しかった思い出を写真で思い出し、自分が旅行へ行く準備を手伝えば、みんなで今から行ける!と思ったのでしょう。
その思いに家族みんな嬉しくなりました。
が、今は残念ながら納得してもらえる説明をしなければなりません。
理解できることと納得できることは違う
日付や曜日の感覚がまだ難しい息子は、旅行に行く日までの日数の想像ができません。
そのため、いつも旅行へ行く当日に写真カードで出かけることを伝えていましたが、今回は私が写真を飾ったことにより、息子の旅行へ行きたい強い思いに突然火が付いたようでした。
そこで、
- いつも使っているスケジュールボードで、明日の予定を確認
- 「行きたいよね、楽しかったもんね」とみんなに声をかけてもらう
- 旅行へ行くのは1か月以上先だということの説明
- 今日は家で寝るということ
これらを、息子に何度も説明しました。
息子は手話で「おうち・寝る」と自分で表現し、理解はしているようでしたが、納得はできませんでした。
理解できることと、納得できることは別問題です。
今まで、息子に理解してもらうことを重視して関わってきましたが、息子はそれ以上に成長していました。
大人でも、分かっていても納得することが難しいことってありますよね。
指示されたことをやらなけばならないことは分かっている、でも自分の中で納得はしていない。だけど我慢して嫌々やらなければならないことがあります。
息子の中でもそんな感情が戦っているのかなと思いました。
きょうだい児の優しさと息子の思い
納得していない息子を何とか寝室まで連れてきましたが、不快な声とともに遂に泣き出し癇癪を起こしました。
ベッドで暴れ、枕を投げ、まるで自分の中の思いと戦っているようでした。
その泣き声を聞き、別室にいたお姉ちゃんが、2日前の自分の誕生日にもらった大切なぬいぐるみを
「一緒に寝てもいいよ」と弟を心配して貸してくれました。
すると息子はそのぬいぐるみをギューッと抱きしめ、しんどそうな声を出しながらも、なんとか眠ることが出来ました。
息子が眠った後、ホッとした時に思ったのは、
- 娘は貰ったばかりの大切なぬいぐるみを、どんな思いで弟に貸してくれたのか。
- みんなで行った楽しかった旅行を思い出し、また行きたいと思った息子の思い。
子どもたちの強くて温かい思いを想像すると、とても胸が締め付けられるような気持ちでした。
お姉ちゃんの視覚支援
翌日、娘に「ありがとう」を伝えました。
すると娘は、弟のために旅行に行く日までのカウントダウン表を手作りしてくれていたのです。
「せいくん、シールが全部たまったらディズニーに行けるからね」
今すぐ旅行に行けなくても、必ず楽しみがやってくるよ!
そんなワクワクする気持ちになれるように考えた、娘の優しさでした。
正直これには胸が熱くなりました。
まとめ
健常の子どもたちにもそれぞれ強い思いがあるように、話せない息子にもしっかりと伝えたい思いがある。
そしてそれを否定せず、家族の思いにみんなが共感し分かり合える。
私も学ばされることが多くありましたし、子どもたちの思いそれぞれにしっかり耳を傾けて子育てしていきたいと思わされました。
子育ては親の学びでもありますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。