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自閉症の息子が唾吐きをはじめた理由
8歳の重度知的障害自閉症の息子は、ある日突然唾を吐く行動が見られるようになりました。
突然の行動に驚き、
「唾を吐いたら汚いよ!」
「唾は吐きません」
と私たち親は問題行動と捉え、その行動に対して息子を叱ってしまいました。
しかし一向に収まる気配はなく、日常的に唾吐きの行動が見られるようになってしまいます。
ここで私の対応が良くないのだと改めることにしました。
子どもの不適応行動が無くならない時は、大人の対応やかかわりを改める必要があると考えたのです。
その行動に対して良くない声掛けをしていると、行動が強化されてしまうことも分かりました。
不適応行動とは
行動分析学では誤学習と言われていますが、
子どもが自分の心ではどうすることも出来ず、そうせざるを得なかった行動です。
その行動に悪意はなく、周囲を困らせようという意図はありません。
発達障害児や自閉症児が唾吐きをする理由
唾吐きという不適応行動に対して、まずその行動が起きた原因を明確にすることが大切です。
この行動が起きる大きな要因としてあげられるのが、嫌なことから逃れたいときに唾吐きとして出てしまう逃避行動と、周りの注目を浴びたいが為の注目行動です。
息子の場合
大人の指示を逃れたい
ストレスを感じている
要求が上手く伝えられない
息子はこれらの原因が考えられました。
嫌なことを嫌だと言えない、季節の変わり目に不調になる息子の特徴がある、発語がないことで心の不調が上手く伝えられない
などのことが唾吐きという行動で、大きく表れているようでした。
唾吐きをやめさせるには
放課後等デイサービスのスタッフや、特別支援学校の先生に相談し、対応を統一してもらうことにしました。
一番大切にしたことは、唾を吐いた行動に対して「汚い!やめなさい!」などと
絶対に叱らないことです。
統一した対応方法
- 過度に反応しない
- 冷静な対応をする
- 理由を考える
「あ!」と大きな声を出して反応したりしないこと、唾を吐いてしまったら「ティッシュで拭こう」などと冷静に教えること、大人が表情を変えたり、唾吐きによって要求が通ると思わせないことを統一して対応してもらいました。
また、唾吐きの行動の前にあった不快な原因を探り、気持ちの伝え方を教えることを徹底しました。
息子の場合は嫌なことや要求があった時は、大人の肩を叩いて呼ぶ、首を横に振る・・などと教えました。
解決ポイント
- 周囲が過度な反応をしたり、唾を吐くことによって自分の要求が通ると思うと長く続く
- 唾を吐いてしまった時に「拭こうね」とだけ伝えティッシュを渡す
- 唾吐きが起きそうな時に「嫌だったんだね」と気持ちの代弁をしたり唾吐き以外の伝え方を教える
すぐに息子に対するかかわり方を変え、周囲と連携することで、2週間ほどで唾吐きが全くなくなりました。
まとめ
大人が問題行動だと捉える背景には、その行動にストレスが隠れていることが多くあります。
はじめは唾を吐いてしまう息子行動にイライラしてしまい、強めの口調で叱ってしまったことを今はすごく後悔しています。
人を叩く、奇声をあげるなどの、不適応行動も対応としては同じことがいえます。
不適応行動を助長させないためには、やめて欲しいことを無視することと、正しい行動を教える「モデリング」が大切であることを学びました。
息子に、唾吐きという行動に対して注意するのではなく
- 「ティッシュで拭こうね」
- 「〇〇で遊びたかったね、貸してって言おうか」
- 「疲れてたんだね、休もうか」
と冷静に声掛けしていると、あっという間に唾吐き行動が消えていきました。
問題行動と捉えるとつい叱ってしまいがちですが、冷静な対応が出来ると、その解決がずっと近道だったりします。
最後までお読みいただきありがとうございました。